『SONATEN』 水谷上総(ファゴット)・小倉貴久子(チェンバロ)

私が「横顔の貴公子」と呼んで密かにお慕い申し上げている水谷上総さんのアルバムがこのたび発売となりました。
知らない人は何のことだかでしょうが、水谷上総さんとはN響主席ファゴット奏者で、私がここのところ毎週欠かさずN響アワーを見ている原因の一人であります(もう一人はH・ブロムシュテット)。
ミクシにもコミュニティがありますが、入りたいけどちょっとのぞいたら皆さんちゃんと音楽やってる人みたいで、ミーハー根性の自分としてはためらってしまう。

なぜ「横顔の貴公子」かというと、N響アワーでは必ず横から映るんですが、この横顔が大変に端正でいらっしゃるんですね。ていうか横顔しか見たことなかったんですが。
このたびアルバムで正面の姿も拝見いたしましたが、なかなかどうして正面からのお顔も素敵でした。
でもなんと言っても私の心をがっちり捕らえて離さなかったのは、ライナーノーツ中程に載っていた立ち姿の横顔写真! 大きなファゴットを抱えて姿勢正しく演奏する姿は、まるでバリトンサックスを自在に操るジェリー・マリガンみたいに格好良かった。

で、肝心のアルバムの中身ですが……えーと、ファゴットの牧歌的な音色と、バックに流れるチェンバロのかそけき音は、何というか鈍行列車でごとごとと旅をしているような気分になります。
大してスピードが出てない上に、ずーっと田園→山→田園的同じ景色が続いているような、かといって退屈かというとそうでもないよな……。
すみません、ファゴットソナタをちゃんと理解するには、まだまだクラシックの修行が足りないようです。でもファゴットの音は、なかなか聴いていて心地よい気分にさせられます。ごとごと。

それにしてもこのアルバム、手持ちのネットワークウォークマンに入れると、どの曲聴いてるか分からなくなる。
だって全部曲名が「ファゴット通奏低音のためのソナタ」なんだもん。
困ったもんだ。



そんなこんなで本日のワイン。