ヨコハマ買い出し紀行(14)

最終巻です。最初の連載からもう12年も経つのね…(って連載当初から知ってるわけじゃないですが)。初めてこのマンガを知ったのはどこだっけ。確かネットだと思うけど、今は無き全商品裁判所だっけ? もはや馴れ初めを思い出せないほど。もっとも中の話はそれどころじゃない年月が経ってます。
以下はネタばれ&感想。


 マツキが「ムサシノ運送」で働く話から始まって、あれよあれよという間にタカヒロもマツキも大人になるわ二人の間に子供はできるわ、いままでののんびりした時間の流れが一気に凝縮された形の14巻でした。個人的にはタカヒロとマツキはくっつかないと思ってたんだけどなー。
 しかし最終話ではどれだけの時間が経っていて、何人がまだ生きていたんだろう(そして地上はどのくらい残ってたんだろうか)。そう思うとものすごく寂しいラストのようにも思える…けれど、あの物語は最初から「夕凪の時間」に始まり、宵闇に向かって時間は流れていたのであって、要するに「緩やかに滅びに向かっている」という事態は何一つ変わってはいないのだ。
 アルファさん(達)というのは、おそらく、人類が穏やかな終末を迎えられるために、我々を笑顔で看取るために造られたのだろうと思う。そう、彼らに感じる優しい感情の中身は、(癒しではなく)“赦し”なのではないか、と。