ナポレオン・ダイナマイト

MTV VIDEO AWARDで賞を総なめにしていたときからずっと気になっていたナポレオン・“「バス男」とは死んでも呼びたくない”ダイナマイトをようやく観る。たまたま「電車男」ブームと時期が重なったからといってこのセンスの欠片もない邦題はいかがなものか。そもそもバスなんてほとんど出てこないし、出てきてもストーリーと関係ないし。
要するにアメリカ(アイダホ)に住む冴えないオタク(と言ってもいわゆる日本のアニメ好き、ゲーム好き、引きこもり、みたいなイメージの“オタク”とはまた違うんだけど。どっちかというと大人しいBEAVIS&BUTT-HEADというイメージ)高校生「ナポレオン・ダイナマイト」の冴えない日常をたらたらと描いた映画。
まあ何というか痛い。常に口を半開きにしたナポレオンのルックスや、いじめられっ子にありがちな虚言気味の言動の痛さもそうだけど、彼と対照的に描かれているはずの学園のマドンナ(ヘイリー・ダフ。ヒラリー・ダフの姉らしい。適役)もまた「田舎の姉ちゃん全開」で痛々しい。(ラスト近くのパフォーマンスなんて直視できないダサさ。しかも今時バックストリート・ボーイズだし)アメリカでこの映画が受けた理由って、一次的にはナポレオンのへたれっぷりにあるのだろうけど、それだけではなく「田舎の高校生事情」全体に対する笑いでもあったんじゃないのかなと思います。
それにしてもプロムってアメリカ映画でよく出てきますよね。しかも時代が変わってもやってることも飾りつけとかも全然変わってないし。日本で言うところの「文化祭後のフォークダンス」みたいなもんなんでしょうか。
そして一様にそこはかとなく垢抜けないところも皆似ている…今まで見た映画上のプロムの中で「カッコいいなあ」と思ったのは唯一、「バック・トゥ・ザ・フューチャー1」のそれだけでした。
個人的には痛さがもはや笑えないところまで来ていたので評価は微妙。でも例のダンスは良かった。