スガシカオの柔らかなカオス

 かなり今更なネタなので、すでに知っている方も多いかと思いますが、季刊「STEREO SOUND」という雑誌に連載されている村上春樹氏の音楽エッセイで、最新号にスガシカオ(以下シカオちゃん)が取り上げられていました。
 村上さんは以前から、エッセイで(確か「村上朝日堂」だったか)「スガシカオの『バクダン・ジュース』がいい」と言ったり、「アフターダーク」でコンビニの有線から、「バクダン・ジュース」を流したりしていたので(普通流れねーよ!)、シカオちゃん好きだというのは知っていたのですが、まさかこんなにベタ誉めの文章を書くとは思っていませんでした。いや、両方のファンとしては嬉しい限りなんですが。シカオちゃんもラジオでよく「村上作品が好きだ」と言っていたし。

 何より嬉しかったのは、村上さんが最後に「僕の一番好きな歌詞を挙げておく」と言って、「ぬれた靴」を取り上げていたこと。私もこの「ぬれた靴」がシカオちゃんの曲(歌詞)の中で一番好きで、しょっちゅう聴いては「あー、これで一本書きたいなあ」などと思っていたので、自分の中で何かが繋がった感じがしたのです。
 何かを表現している人には特に、この感覚は分かってもらえるんじゃないかと思うのですが、自分が好きな諸々のものの間に「ぶれ」がない、という感じは非常に安心感を与えてくれます。何というか、自分は求めているもの(書きたいと思っているもの)が、ちゃんと見えているな、という気がするのです。
まあ、だからってちゃんと書けるかってのはまた別の話なのですが。
 ちなみに、この「ぬれた靴」の歌詞については、結婚式なのか葬式なのか(はたまた全然別の式典なのか)、WEB上で様々な憶測がなされていますが、個人的には葬式説を推したいです。だって結婚式って色々と食べたり飲んだりさせられて、しかも2次会でまた飲み食いするじゃないですか。そのうえさらに中華屋に入るってのが(いくら雨やどりのためとはいえ)ちょっと考えにくい。

どうでもいいけど、↑のエッセイ中で、和田誠の描くスガシカオはどう見ても「内村プロデュース」のウッチャンにしか見えないんですが。似てないにも程があるぞ。
それにしても「キャラ者」で江口寿史が描いたシカオちゃんは似ていたなあ。