2004年洋楽ベスト10
遅れましておめでとうございます。相方です。
今年も、前年1年間にリリースされた新作アルバムの中から独断と偏見でお気に入りを10枚選んで挙げてみたいと思います。
ちなみに挙げた順番は特にランクを表すものではないです。
FRANZ FERDINAND “FRANZ FERDINAND”
今年お薦めの1枚を挙げろといわれたらこれかな。こういうバンドがポッと出てくるからUKは面白い。モッズスタイル(?)の見た目も、ちょっと古臭い音もどこか胡散臭くてカッコイイ。私は最初に聴いた時何故かRoxy Music辺りを思い出しました。おそらくアメリカからはこういうバンドって出ないんだろうな。
22-20s “22-20s”
こちらもUK発のロックバンドです。同じUK発のFranz FerdinandやKasabianとはことなり、怪しさや胡散臭さは希薄ですが、70年代ブルーズロックをベースにしたような音は好みです。一聴The KinksやJohn Mayall & Bluesbrakers辺りを彷彿とさせますが、どこかU2を感じさせるところもあり、70年代どっぷりのオジさんたちにもこれならOKでしょう。個人的にThe Musicと並んで今一番ライヴを見てみたいアーティストです。
MAROON5 “SONGS ABOUT JANE”
これはUSのバンドです。厳密に言えば、このアルバムのリリースは一昨年の7月なのですが、昨年ブレイクしたということでランク入りです。音のベースはファンクロックですが、なんと言っても楽曲がメロディアスな佳曲揃い。ここに上がっている10枚の中では一番ポップな魅力に溢れたアルバムです。これ聴くとUSの音楽シーンもまだ捨てたもんじゃねえなって思えます。
ちなみに真知は、このアルバムの中の“This Love”と“She Will Be Loved”をカラオケでよく熱唱しています。
BLUES EXPLOSION “DAMAGE”
John Spencer Blues Explosion(JSBX)が名前をシンプルにしました。そういえばG.Love & Special Sauceも今年のリリースから単にG.Loveと変わりましたね。細木数子になんか言われたんでしょうか? いや、別にいいんですけど。
このバンド(BX)は10年前リリースされた“Orange”の頃から、3人編成のシンプルな構成ながら、70年代のRolling Stonesのような生々しくて禍々しいパワーを感じさせる稀有な存在でしたが、今作でもそのパワーは衰えることなし。Public EnemyのChuck D.が参加しているトラックもあったりします。ラフでカッコイイ音が好きな方にお薦め.
YESTERDAYS NEW QUINTET “STEVIE”
私が昨年一年通して聴きまくっていた個人的ベスト1がこれです。Stevie Wonderのインストカヴァー集なのですが、全くの予備知識なしで聞いたらツボに入ってしまいました。エレピにヴィブラフォン、ベース、ドラムス、パーカッションというジャズ寄りの編成で、全編ヒップホップテイストのリズムに、ゆるいグルーヴ感抜群の演奏が乗っかっています。Blue Noteなどのレアグルーヴ系が好きな方に聴いて欲しい一枚です。
FRANK McCOMB “THE TRUTH”
かつてBranford Marsalisのジャズ/ヒップホップユニットBuckshot Lefonqueに参加していたFrank McCombです、って言っても知らないっすよね。
Branford Marsalisがプロデュースした1stアルバムに較べて、やりたい音楽がはっきりした感じです。Donny Hathawayの再来みたいなことを言われていますが、声質といい、エレピの使い方といい、確かに彷彿とさせます。実際Lalah HathawayのライブでLalahとデュエットした“You've Got A Friend”はDonnyとRoberta Flackのデュエットの再現のようでした。70年代ソウルが好きな方は勿論、D'Angelo辺りが好きな方にも聴いてみて欲しいです。
N・E・R・D “FLY OR DIE”
敏腕プロデューサーチームNeptunesの二人がもう一人加えてやっているユニットです。今までNeptunesがプロデュースしたアーティストの作品にはあまりピンと来なかった私ですが、これはヒップホップとロックとR&Bという3つの色の混ぜ具合が絶妙で気に入りました。「カッコよければジャンルなんてどーだっていいじゃん」的なノリは嫌いじゃないので。何も考えずにバカになって、ただ音にノッていたい時にはお薦め。
GEORGE MICHAEL “PATIENCE”
傑作アルバム“Faith”以来のアルバムです。シングルの“Amazing”がとても素敵だったのでランク入りです。伸びやかで甘いヴォーカルに、キャッチ−で切ないメロディーと歌詞。まさにポップの王道です。Wham!の頃からこの人のポップセンスは本当に素晴らしい。彼こそ第二のElton Johnと呼びたい(性癖も含めてね)。
V.A. “POWER OF SOUL(A TRIBUTE TO JIMI HENDRIX)”
Jimi Hendrixへのトリビュート作品は過去にも何枚か出ていますが、私はこのアルバムが一番好きです。このアルバムは面子の良さがそのままアルバムの面白さになっています。Santana、Princeに始まりSting、Lenny Kravitz、Robert RandolphやSounds of Blacknessまで、多士済済でありながら一貫性のある面子が、それぞれの持ち味全開で演ってくれてます。個人的には、“Are You Experienced?”でのMusiqの成りきり振りが微笑ましくて好印象でした。
V.A. “MARTIN SCORSESE PRESENTS THE BEST OF BLUES”
一昨年はブルーズ生誕100年だったそうで、昨年は珍しくブルーズ関係が盛り上がりました。AerosmithやEric Claptonがブルーズアルバムをリリースしましたし(Claptonはいつものことですが)、映画監督のMartin Scorsese(マーティン・スコセッシ)が製作総指揮で“The Blues Movie Project”なるものが立ち上がり、ヴィム・ヴェンダースやクリント・イーストウッドらが監督する映画が製作されました。
ここに挙げたアルバムは、そのマーティン・スコセッシ(映画“Taxi Driver”で有名ですね)がこのプロジェクトに際して自ら選曲したそうです。
彼自身ブルーズ大好きだそうで、道理でこのアルバムよく出来ています。ブルーズとは何ぞやという方はこのアルバムを聴いてください。ざっとですが、ブルーズの歴史を俯瞰できると思います。個人的には、昨年亡くなったRay Charlesの“Hard Times”が何度聴いても泣けます。Claptonのカヴァーなんて目じゃないって。
真知も言っているとおり、2004年は「これだ!」と言わしめるだけの圧倒的なパワーを持ったアルバムには出会えませんでした。ただ、Paul WellerやBryan Adamsなどのベテランが頑張っているのは嬉しかったです。