山川方夫『夏の葬列』

夏が来るとこの小説が読みたくなります。教科書にも載っていた小説なので、知っている方も多いかと思います。ショート・ショートのような切れ味と(実際これは一種のオチ物SSだと思ってますが)、夏空の青、どこまでも広がる芋畑の深い緑、そして少女のワンピースの眩しいくらいの白とそこに散る鮮やかな赤……色彩の鮮烈さが強烈な夏の暑さと交じり合って、絵画を目にしたとき以上に、「画」が頭に焼きついて離れなくなります。
瀬名秀明編のアンソロジー「贈る物語 WONDER」に収録されています。他の収録作品も非常に面白かったのでオススメ。とくにいとうせいこうが最高。