ミュージカルバトン・その後

http://d.hatena.ne.jp/hijiri-ayaの、ひじりさんからまわってきたバトンがやっと完成。しかし既に下火のよう。でもいいんです、好きな音楽について思い切り書けたので満足です。

・Total volume of music files on my computer (コンピュータに入ってる音楽ファイルの容量)
282MB。意外と少なめ。もともとパソコンで音楽を聴かない性質なので。これはSonyネットワークウォークマン(通勤時の友)に転送するために入れているだけで、今後そんなに増える予定もナシ。


・Song playing right now (今聞いている曲)
Everything but the girl『Low Tide Of The Night』Temperamental
アルバム『Temperamental』より。地味な曲ですが、バックビートのリズムが気持ちいいです。夏の夜に聴くと妙にけだるい気分に。しかし何度見てもひどいジャケだなあ……。

・The last CD I bought (最後に買ったCD)
Oasis 『Don't Believe The Truth』Don't Believe the Truth
意外に普通で申し訳ない。でもリアム好きなんですよねえ。


・Five songs(tunes) I listen to a lot, or that mean a lot to me (よく聞く、または特別な思い入れのある5曲)
BILL EVANSJIM HALL 『DREAM GYPSY』アンダーカレント
この曲が収録されているアルバム『UNDERCURRENT』は、小説書き時のBGMなので(あとはPaul Bleyの『Open,To Love』とか)、そういう意味では良く聴く曲。メロディーが息をのむほど美しい曲なので、いつもこの曲が始まるとはっと文章を書く手が止まってしまうのです(困ったものだ)。ビル・エバンズというと、スコット・ラファロとの共演時代が黄金期と言われていますが(確かに『サンデー・アット・ザ・ビレッジ・バンガード』もよくBGMにしているのだけれど)、この物憂げなピアノも捨てがたいものがあります。
 ちなみにジャケットも非常にセンスがいいです。

■Fire INC. 『TONIGHT IS WHAT MEANS TO BE YOUNG』ストリート・オブ・ファイヤー ― オリジナル・サウンドトラック
知っている人は知っているかもしれません。「今夜は青春」というこっ恥ずかしい邦題のついたこの曲は(椎名恵の歌は良かったけどね)、『ストリート・オブ・ファイアー』という映画の主題歌です。
ラストシーンでスポットライトを浴びてこの曲を熱く歌い上げるダイアン・レイン(いや、吹き替えなんだけど)は若かりし日の私の心に強烈に焼き付いて、長い間カッコイイ女性NO.1の座を占めていました。
 大仰すぎるくらい大仰な前奏から始まって、ボーカルが入ると極力伴奏を押さえたプロローグ、次第にいくつものコーラスが重なって、最後は重厚なゴスペル調のコーラスが入って大合唱。これですよ! キャッチーなメロディーと力強いボーカル、それに派手なコーラスと大団円。クリスマスのケーキとチキンとプレゼントみたいなもので、条件反射的に心がわくわくしてしまうのだ。
聴く方も歌う方もカタルシスが得られること間違いなしの曲。映画とセットだと更に倍。

■BEN FOLDS FIVE 『jackson cannery』Ben Folds Five
BECK(マンガ)の中で、「ファーストアルバムにしかない、えげつないパワーがある」という科白がある。
これを目にして反射的に思い浮かんだのが、森宏隆の『並立概念』と、ベン・フォールズ・ファイブの『ベン・フォールズ・ファイブ』。『ジャクソン・カナリー』はその一曲目。
キレのあるリズム・ピアノに、おっ、どんなボーカルが始まるんだろと期待して聴くと、ベン・フォールズの「ストォ〜ップザバァ〜ス!」という素っ頓狂な声にちょっと脱力。微妙に音を外してる。でもその歌声があまりにも伸びやかなため、むしろ「ちょっとくらい音が外れている方がむしろいいかも」という気がしてくるから不思議だ。

 ベン・フォールズの歌声だけでなく、全ての演奏が縦横無尽でなんの規制もない。いい意味で「たがが外れ」ている。まるで初めて飛ぶことを覚えたツバメが、嬉しくて仕方がなくてありとあらゆる方向に飛び回っている様を連想させる。
もちろんそれにはベン・フォールズの力強くも繊細に流れる、春の渓流のごときピアノがあってこそなのだけど、あまり彼のピアノは「テクニカル」という感じはしない。彼のピアノは心地よい肉声のように、柔らかな肌触りをもって我々の耳に入ってくる。話はそれるけど、その音色こそが彼をポスト「ピアノ・マン」たらしめた最大の理由ではないか、と私は思う。
 ちなみに意味は「ジャクソンさんちの缶詰工場」とかそんな感じらしいです。

Steely Dan 『Do It Again』Can't Buy a Thrill
私事ですが、私の小説の目標は村上春樹でも(畏れ多いけど、昔少し似てるって言われた)皆川博子(なれるものならなりたいけど)でもなく、実はスティーリー・ダンの音楽だったりする。超一流のスタジオ・ミュージシャンを惜しげもなく取っ替え引っ替えし、作品の完成度を高めるためには妥協を許さない。文章でいうなら、これ以上ないくらい的確かつ独創的な比喩を用いながら、二度とそれを使わない、みたいなものだろうか。しかも作品は決して流麗華美というのではなく、ストイックの匂いがする。曲の隅々まで神経が行き届いていて、一音の無駄もない。
実はAORって全体的にどーにも甘いうえに、小綺麗にまとまりすぎるきらいがあって、あんまり聴かないんですが、スティーリー・ダンだけは別格です。
 なかでも『ドゥ・イット・アゲイン』は一番のお気に入り。ドナルド・フェイゲンの、絞った弓のように抑制された声がたまらない。ギリギリまで感情を押し殺したヴォーカルには、ただ感情をぶつけるだけのそれとは違う大人の色気がある。これぞ夜の音楽。

スガシカオ 『ぬれた靴』Sugarless
邦楽から一曲。シカオちゃんは必ず上げるつもりだったのですが、いざ選ぼうとするとどれも思い入れが強くてなかなか決められない。で、結局この曲に。前にも日記で書きましたが、シカオちゃんの曲の中で、この曲の歌詞が一番好きです。

・Five people to whom I'm passing the baton (バトンを渡す5人)
うーん、友達あんまりいないんで、とりあえず止めときます。誰か欲しい人がいたら連絡ください。