コカコーラのCM

を目にするたびに、HPが奪われるような脱力感を覚えるのは今のところどうやら日本で自分だけらしいということが判明し、ちょっと鬱です。いや別にアウトローを気取っているとか、天の邪鬼なつもりで言っているわけでは全くないんですが。単にあの何のひねりもない80年代的無反省サウンドと、狙いすぎを通り越してほとんど悪趣味なまでにわざとらしい映像を臆面もなく流せる感覚についていけないだけなんです。一瞬、本気で20年前にタイムスリップしたのかと思いました。

バブル全盛期を謳歌した世代ではないけれど、80年代に人格形成期を迎えた者の一人なので、あの時代独特の空気感というものが、もはや失われてしまったことは実感として理解できる。コンピレーションCDがいくら売れようとも、景気が上昇しようとも、あの無邪気にノー天気な時代は永久に戻ってこないのだ。我が懐かしの80年代。
そこへ持ってきてあの曲とあのCF。80年代の上っ面のまがい物を見せられても、「うわー、懐かしい」なんて思えるはずがない。
BENNIE Kの問題ではないと思う、多分。最初にあの映像とセットで聴かなかったら、軽く聞き流して終わり、という感じだったと思う。でも映像の作り手は明らかに80年代を意識している。消費社会が無条件で肯定されていた、あの(日本では)資本主義全盛の時代を。
でも今は21世紀なのだ。バブル崩壊も、9.11も本当にあったことなのだ。今さら「あの頃みたいに明るく行こうよ」なんて言われても、あまりに虫が良すぎて、素直に肯けるはずがない、と思ってしまうのだ。