ルーズちゃんとマールちゃん

最近になって「もやしもん」にハマリだす。(遅いよ)あれを読んでると無性に酒が飲みたくなるので困ります。
オリゼー可愛いなあ。

ここ2週間はまともに家に帰れる状態ではなく、その割には何故か高いワインを飲ませてもらう機会も多く、まあ要するにどんなに忙しくても酒を飲む時間を減らしてはいかんということです。
では1本目&2本目。

おなじみ『シャンボール・ミュジニイ』で、造り手はロベール・グロフィエ。しかもレザムルーズ&ボンヌ・マールです。2004年。
もちろん一人で飲んだわけではありません。何人かで一緒に、でもそれぞれ2杯分くらいは飲ませてもらえたか。
レザムルーズとボンヌ・マールを同時に飲み比べできるなんて(しかもグロフィエで)、もう二度とないでしょう。
イメージとしては、ホストクラブにWaTがいて、彼らを左右に侍らせているような感じでしょうか。ホストクラブ行ったことないんでわかりませんが、まあそのくらい豪勢だということです。人によっちゃ大したことないかもしれませんが、私にとってはあとちょっとで死んでもいいくらいの豪勢さです。

(ちょっとうんちく)
シャンボール・ミュジニーに限らず、ブルゴーニュのワインは、同じ作り手でもブドウが収穫される畑によって、酒のグレードが変わります。シャンボール・ミュジニーの場合、特級畑に認定されているのがこの「ボンヌ・マール」と「ミュジニー」で、「レザムルーズ」はワンランク下の1級畑。
しかし「レザムルーズ」はその名前の愛らしさ(『恋人たち』とか『恋する乙女達』と訳される。ちなみにこの名前のせいで、カロン・セギュールと並ぶ、あまりワインに詳しくない人に“彼女との記念日に何飲んだらいいかなあ”と聞かれたときに、しばしば挙げられるワインでもあります。カロンのほうの理由はラベルを見れば一目瞭然。とはいえカロンってかなり重くて固いから、本当はワイン初心者にはあんまりお勧めできないと思うんですが。いや良いワインですけどね)や特級に勝るとも劣らない味わいから、むしろ特級畑より人気があるともいわれております。
(うんちくおわり)

香りがね、まずもう素晴らしいのですよ。前にもミュジニーについては書きましたが、いずれも花のような柔らかい香り。(花のような、というのは私が使う場合には、たいていの場合本当に花の香りがするわけではなくて、果実系の強い香りというよりは、ふわりと立ちのぼる感じの優しい香り、という意味です)。
個人的にはボンヌ・マールよりはアムルーズ(注:ワインに詳しい人たちは、レザムルーズ“les amoureuses”の“レ”を読まずに「アムルーズ」と呼ぶらしいです。“おおきく振りかぶって”を“おお振り”とか略しちゃうようなもんです。多分)のほうが好みではありました。いずれも“繊細”と言われるC=ミュジニーのワインですが、私にはアムルーズの方が繊細さにおいては勝っている気がしました。もちろんそれは裏を返せばボンヌ・マールの方が力強さをたたえていたということで、もはや後は好みの問題。もう百合と薔薇のどっちが好き? サファイアとルビーどっちが綺麗? てなもんです。あー幸せ。