オノ・ナツメ『リストランテ・パラディーゾ』

これも入院中よく読んでました。書き分けがいまひとつなので(だってほとんどの男の人が老眼鏡紳士なんだよ)、エロティクスF連載中はいまいち筋が見えにくかったんですが、単行本で読むと良さが分かります。一言で言うと「分別のある大人の恋愛」という感じ。
筋は、自分を全く顧みない母親に怒った主人公のニコレッタが、母の恋人に自分の存在を暴露しようと、その恋人が経営するリストランテに押しかけたところ、そこは老眼鏡紳士がもてなしてくれるちょっと変わったリストランテだった……。カメリエーレ長のクラウディオに恋をしたニコレッタは、そこで見習いとして働き始めるが、クラウディオには別れた妻がいて……。
 スタイリッシュな絵柄も素敵なんですが、キャラクターが皆大人なのがいい。感情をむき出しにせず、他人を気遣いながらもきちんと自分の想いを伝えられるというのは大人の醍醐味ですよね。激情にかられるばかりが恋愛じゃねーよ。