亀和田武のマガジンウォッチは良かったなあ

うちは朝日新聞なんですが、朝日の日曜日の書評欄はけっこう面白くて、普段読まないようなジャンルの本でも評者(郄橋源一郎とか。あの方は最近エロ小説の紹介しかしてないイメージがありますが)によっては、「へえ」と興味をそそられることもしばしばあります。
 とはいえ「亀和田武のマガジンウォッチ」終了後の書評欄は今ひとつぴりっとしません。様々な雑誌を小気味よく批評していく、亀和田氏のキレの良い文章は日曜の朝の一服の清涼剤だったのですが。
 例えば<24時間仕事バカ>働く男のための雑誌「ゲーテ」の創刊号が「ビジネスホリック」という言葉を提案した際のコメント

たまに、どれほど自分が忙しいか“多忙自慢”をする人がいますが、このタイプが仕事のできたためしがない。オレって仕事バカでさあ。利口な人は、こんなセリフを口にしません。バカ自慢をする人間がいたら、まず本物のバカと思って差しつかえありません

 には膝を叩いて(古い表現だ)喜びました。いいなあ、こういう芸のある批評。

LOHASを題材にとって『ソトコト』について書いた文章での、結局ロハスとは『21世紀の資本主義が、総力で開発した“人と地球にやさしい”商品という巨大プロジェクト(引用)』であるという意見も頷ける。本来のロハスがどうあれ、今の日本におけるロハスって「金があっての健康的な生活の持続」だもんね。にしても清貧の思想が流行ったのってそんなに昔じゃなかったと思うんですが。流行って早いですね。
ロハスに限らず、最近の雑誌にのってる商品広告は、一見すると記事と区別がつかなくて、知らず知らずのうちに「いいなあ」とその商品に誘惑されているからちょっと怖いです。つか最近の雑誌の紙面自体が一冊の商品カタログみたいになってるんでどっちもどっちではあるんですが。特にBRUTUSとか酷すぎる。

閑話休題。にしても大新聞であれだけ雑誌批判をするのは勇気がいったと思います。載せる方もかなり剛気だと思いますが。だから終わっちゃったのかな、本当に面白かったのに。

ちなみにマガジンウォッチは最新20までアサヒ・コムのページで読めます。
もっとも書評ページのトップからのリンクはどこにあるのか分からないし、そのうち削除されてしまうような気がするので↓にリンクを紹介しておきます。とりあえず私は保存しました。

マガジンウォッチバックナンバー



余談:ロハスって登録商標だったんですね。そういえば以前某広告会社の方が、「4文字以内の言葉はほぼ全滅(商標登録されていない言葉はない)」と言っていたのを思い出しました。(その時は何で「金色のガッシュ」がアニメでは「ガッシュベル」になったのかっていう話の中で出てきた話題でしたが。そういや劇場版ケロロ軍曹では「ポコペン」が「ペコポン」になっているけど、あれもそのせいじゃなかろうか*1

*1:はてなの解説によると「ポコペン」が中国人の蔑称だからだとのこと。そうだったんですか