『コンスタンティン』

 7割方は禁煙キャンペーン映画に見えた(やっぱり煙草は良くないですよ、皆さん)。
 まあそれはともかく結構楽しめました。キアヌ好きの私としては、彼の浮世離れした(大根ともいう)演技と良くマッチしていたので文句なし。
 とはいえこの映画の根底にある恐怖がキリスト教圏ではない日本でちゃんと伝わっているのかはやや疑問。カソリックではないけど、かつては敬虔な(?)クリスチャンだったこともある自分としては「死んだら地獄へ堕ちる」という題目は今なお鉄の塊のようにずっしりとした重さを保ったまま心の奥底にある。大分その重みを意識せずに生きられるようにはなったけど。そしてその恐怖を払拭するために必要なのは信仰のみ。神を信じないくせにその恩寵に預からんと悪魔払いをしたところで天国行きの切符は手に入らない。大天使ガブリエルの言葉にはひどく納得させられる。
 何を言ってるんだ私は。
 ガブリエル役のティルダ・ウィンストンが中性的でとても良かった。両性具無(性別がない)である天使(具有でなく)の雰囲気に合っていたと思う。
 サタンの役はもうちょっと若ければアンソニー・ホプキンスでもいいなあ。