サクラ禁止

 最近のJ-POPを聴いていてうんざりすることの一つ。やたらと歌詞に「桜」を使いたがること。まあ季節ものを歌詞に取り入れる事自体珍しくはないんですが、ここ数年の“サクラ”ブームにはかなり食傷。思うに森山直太朗の「さくら」が先鞭ではないかと。いや、彼自体は非常に上手い歌手だし、曲も悪くないと思いますが(好みではないけど)、誰彼もサクラサクラと呪文のように唱え、しかもその歌詞が安易ときたら文句の一つも言いたくなる。

ケツメイシの「さくら」もなあ……彼等って「君にBUMP!」とか「夏の思い出」とか、軽妙な感じの曲は非常にセンスが良いんだけど、叙情的な曲を作ると途端に田舎臭くなるのは何故なんだろう。「さくら」にしても、サビはありがちで凡庸なフレーズだし、歌詞の「ヒュルリーラ×5」には思わず脱力。越冬つばめですか。

 それ以上に気持ち悪かったのが、最近音楽番組などで耳にした「サクラサクよサクラ〜(だっけ?)」と何だかやたらとサクラサクラと連呼する歌。近年まれに見る駄曲と思っていたら、どうやらリメイクらしいですね。何だかなあ。オリジナルの春を歌いたかったら、せめて梅とか桃で歌詞書いてよ。日本の春には桜しか咲かないのか。

ここ数年の「桜」を使ったJ-POPで気に入ったものといったら、aiko『桜の時』と宇多田ヒカルの『SAKURAドロップス』くらいかなあ。